コミュニケーションの達人になりたい? なら、ぜひこのご本!
それは先週の大学での授業の時のこと。
遠方から(新幹線で)通っているクラスメートが、授業数分前に息せき切って教室にかけ込んできました。
「あら~、今日はぎりぎりだったね!」と私が言ったその瞬間。
事件は起こったのです。
私の同級生に、ロシア・ヨーロッパ系の、絵にかいたような美しい方がいましてな。
彼女がこういうわけですよ。
「ぎりぎりって、どういう意味ですか?どういう使い方をするのですか?(英語)」
さてこまった。
瞬時に説明する言葉が出てこない。だって、ぎりぎりは、ぎりぎりなんです。あれれ。
なんか二人して必死で「ぎりぎりセーフ、ぎりぎりアウト!」とかあわあわしている間に、授業が始まってしまいました。
まあね、翌日までにはなんとか日本語と英語で説明文作って学校に持って行きまして、説明は出来ました。
が、次の日には!彼女はすっかり「ぎりぎりの使い方」を会得しておりました。(留学生チーム、日本語すごい勢いで勉強中。本当に頭の良い方々ですごいですよ。)
さて皆さん。結局こういう時って、どうします?
そうなんです、一度自分の日本語を、もっとわかりやすい日本語に訳し直して、説明するしかありません。
自分はわかっていて使っているつもりでも、それを説明することの難しさ。
ね。ホント難儀ですが、でもそれはとても楽しいことでもあります~。
言葉ってね、育った文化、もっと小さく言えば家庭環境もあるでしょうし、なにしろ環境が強烈に影響します。
自分が当たり前だと思っていることでも、同じ日本人同士でも、方言もありますし、実は通じない言葉、理解できない概念ていくらでもあるのです。
例えば、私のとっても好きな言葉の一つに、青森・北海道の言葉で「あずましい」という表現があります。
おそらく、他の地域の方だと、どういう意味か分からん方多いのではないかな。
居心地が良いとか、片付いているとか、安心とかなどの感じでしょうが、共通語にはない感覚なのです。麗しくもみずみずしい言葉です。
あとね、方言ではなくても発達障害を抱えている方とのコミュニケーションの場面だと、同じ言葉でも共通の理解が得られないことなど、多発します。
私、ここ数年、発達障害の子達の会話パートナーをしております。同時進行で、法律や消費生活トラブル系の相談員もしております。
そうすると日常いろんな場所で、こちらが想定していないような会話と出くわすことがあります。
目の前で(電話の前で)話している人の、持っている環境や語彙が、自分とは全く違うことばかりなのです。
でもそこで諦めたら元も子もないのです。
会話を成り立たせて、相手の「本当にたどり着きたい目的地」へご案内しなければなりません。
問題解決のために、道を探らなければなりません。
こういう時に心掛けるのは、相手の使っている言葉を尊重することや、リズムを崩さないことなど、いろいろあります。
でも、極意はそう難しいことではなく、むしろ真逆。
ただひたすら、わかりやすい日本語を使うということです。
今まで私の仕事環境というか生活のことを書きましたが、ここに書いた話、実は「コミュニケーションの達人になるためには、どういうことを心がければよいか」の導入でございます。ふっふっふ。
もちろん、今日ブログに書いているということは、打つ手があるということです。
というわけで、今日のお勧めのご本を紹介いたしますね。
数年前に大ブームを巻き起こしたコミックブックですので、ご存じの方も多いかと思います。
それが
このご本、シリーズで4冊出ておりましてね。
1と2はまだ新刊で手に入るようですが、3と4はセカンドハンドでないと手に入らないかもしれません。(アマゾンではどうもそんな感じです)
キンドル版なら入手しやすいですが。
もうねえ、下手に電車の中で読むと、面白さのあまり吹き出しそうになって、窒息しそうになるほど楽しいご本ですよ。
一番おすすめしたいのがシリーズのうちの3冊目。
ここに、コミュニケーションの達人になる極意が書いてあります。
22ページから29ページまで。必読です。
本そのページをスキャンして載せたいぐらい、読んで欲しい!内容です。が、さすがに著作権の壁は厚い。
ぜひ、あらゆる手段を使って入手して、一読されたし。
おそらく、大きな図書館には4冊ともあると思います。(なくても図書館相互システムで取り寄せてくれるはず。レッツトライ。)
私が今日、長々とブログに書いてきたことが、それこそ一瞬で見て読んで理解できてしまいますから。
早い話が、日本語教師になったつもりで、相手と接するということです。
分かりやすい日本語って何なのかを知ると、本当にコミュニケーションが変わりますよ!
話している相手は、素晴らしい文化を持った自分以外の方なのです。
その方の持っている背景を尊重しつつ、でも同じコミュニケーションの道を同じ方向へ歩いていくということでしょうね。
ほんと、分かりやすい日本語って何なのか自分で考えるようになると、人との会話の場面が一気に「あずましく」なりますので、是非とも一度コミックお読みくださいませ。