アラフィフ、大学院生活を楽しんでみる

中年クライシス真っ只中の社会人大学院生。現在博士課程1年目。自閉症とコミュニケーションについて研究中。転勤族家族なので、日本中がホームタウンのつもり。仕事はパートタイムで、消費生活系相談員してます。コメント大歓迎です。

ヒヨコに対して、教授先生はこう言うのです~社会人大学院生活にて~

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今日は記念すべき日かも知れません。社会人大学院生活、ついに授業の真打とでも呼べるような学問がスタートしました。

 

教授先生が一言一言おっしゃることが、今までのんびり暮らしてきたぼやぼや頭を一喝していくようで、緊張の時間でもありました。が、やはり先生方すごいですよ。私たちヒヨコに本当に大事な「生きるってこれだよ」という真実を教えてくださいました。

 

せっかくですから、今日はその「ヒヨコへの愛のある一撃」のお話をしましょう。

 

ヒヨコほど英語で読めと先生は言った

本日の授業は疫学統計。はい、タイトルからしてすでに、難しい匂いが漂ってまいります。心して授業に出向いたのですが、それでも、教授先生の最初の一言でつい逃げ出しそうになりましたよ。

 

「今日から、論文は必ず英語で読むこと。本授業で扱う用語はすべて英語で覚えること。授業はきっかけに過ぎないから、自分でどんどん検索して知識を増やすこと」

 

私の同級生は5大学に分かれて配属になってますので、それこそ何百キロも先にいるのです。それでもネット配信画面を通じて、「さささ~」っと血の気の引く音が聞こえて参りました。全員顔面蒼白です。え? 私ですか。当然お仲間ですとも。

 

いえ、授業はごく興味深く、難しいというのを超越した部分でとてもとても楽しい内容でした。面白さの中に研究者先生方の生き様が鮮烈に見えて、浮かれた気持ちから一転、ぐっと気持ちが引き締まりもしましたが。

 

と言うのはですね。先生方の論文を読む量ときたら、とてもではありませんが比べものになりません。一本の論文を書くのに、平気で数百の(英語)論文に目を通すのは当たり前。研究に対しての真剣な態度と言ったら、筆舌に尽くしがたしです。

 

論文検索の方法など、かなりマニアックなやり方をご説明下さいました。先生が現在取り掛かろうとされている論文について、どうやって検索し、何本論文を読んだかをおっしゃっていましたが、その時の言葉がすごい。「いやあ、調べるのが趣味なんですよ。まあ、それが仕事なんですけれどもね」と、本当に楽しそうに言われるのです。だからこそ、研究に従事できるのでしょうね。

 

そういう先生方が言うのです。「初心者ほど、質の高い論文を英語で読むように」と。

 

やはり、どんな世界にも「お作法」というものが存在するとおっしゃるのです。科学には歴然とした「科学の世界のお作法」があるのだと。そういうものをきちんと踏襲していくことが、何より大事だと。

 

科学の世界では質の高い医学雑誌などに乗ってくるようなものは、ほぼ間違いなく質が保証されている。だからこそ、そういう論文に必死でくらいついて行くことによって、どういうものが質が良いものかわかるようになると。

 

先生が力説されていたのは、「質の高いものに触れていれば、質の悪いものはすぐ見抜けるようになるから」と。反対に質の低いものに囲まれていれば、いつまでたっても質の良しあしはわからんよと、そうおっしゃるのです。

 

phDステューデントとして、科学の世界にもうあなた方は足を突っ込んだのだから、科学の徒として生きるのだよと。そのためには、英語で論文を書き発表せよ。自分が探す「未知」は自分の後ろには「既知」になって、次の人の「未知」を探す旅のよき道しるべになるからと。

 

今日私が大学院で聞いてきたことは、日常生活でもそっくりそのまま通用することなのです。別に勉強に限ったことではありません。

 

質のいいものを味わっていると、それだけで「良いものか、悪いものか」分かるようになるのは本当です。悪いもの、ストレスのかかりそうなものに囲まれていると、実際疲労が蓄積していくだけです。そしていつまでたっても、上達しないのです。

 

美味しい料理を作ろうと思ったら、しゃきしゃきのつやっつやの美味しい野菜を入手し、最適の調味料と最高の腕で素晴らしい逸品に仕上げていくのです。論文を読むことは、実はまだお野菜を買い求めている段階なのです。仕入れてくる野菜がしなびていたり、悪くなっていたりしたら、もう目も当てあられませんものね。

 

◇ウソをつかないこと。

◇適切な方法で、「真実」を見つけ出すこと。

◇自分が見つけたことを、世のために還元していくこと。

 

作法に適った理にかなったやり方で、最高のモノに親しんでいくことこそ、難しくはあっても上達は圧倒的に早いのです。

 

そうですよね、もうここまで来たのだから、逃げようとは思わず、そろりと一歩前へ進むことを選択しようと思います。そして教授先生のようにハナ歌モードで、「楽しいからやる、楽しんでやる」を実践してみようと思います。ヒヨコに対して教授先生がアツく語ったように、嬉しそうにやってみようと思います。